話し合い

要約すると、俺はこれ以上の負担に耐えられない。籍だけ抜いて他人になって、俺のために尽くせ。俺が再婚する時はとっとと出て行ってね

 

本当に頭がガンガンしていました。この人は、目の前にいるのは人間だろうか…そして、触れられていない、大切な事がある。

 

「お腹の子はどうするの?」

その言葉に、サイ夫は

「当然堕ろしてもらいます」

と言いました。今度こそ倒れるかと思いました。それくらいショックな言葉でした。まるで、「ちょっとゴミ捨てといて」と同じ感覚でした。

 

きっと冷静じゃないんだ。そう思い込もうとしていました。でもサイ夫は、淡々と告げます。

「実家に帰った時に、もう親には話したから。お腹の事は話してないけど、長子の親権取って別れるって。それと長子にも言ったから。長子も俺といたいって。」

ここで、次々と出てくる衝撃の言葉に慣れ始め、私も言葉を発するようになりました。

「ご両親に言うのはいいけど、順番が違うんじゃないの?私は今初めて聞きましたけど」

「だって俺の中ではもう決まってるから」

「なぜ長子に言う必要があったの?子供に言うのは一番最後なんじゃないの?」

「だから、俺の中ではもう決まってるし。堕ろすなら早くした方がいいでしょ?慰謝料渡すから」

「私は長子の親権を渡すつもりはありません。」

「今までお前育児してないじゃん。この2年(※後述します。)俺がどれだけ長子を見てたかわかるよな」

「私が育児に関われなかったのはそうだけど、自分だけが見てたって思い上がりじゃない?」

「そんな事ない!俺が長子の一番の理解者だ!」

話が全く噛み合いませんでした。

 

「突然の事で頭が追いついていかない。少し考える時間をください」

逃げるように私は長子が寝ている部屋に、寝室に行きました。(婚姻時から、夫婦別室)

サイ夫は、そこにも付いてきていろいろグチグチ言っていました。

俺は悪くない、全てお前が悪い、俺だって本当は離婚したくなかった…

そして、

「これまで散々迷惑かけたんだからさ、最後くらい綺麗に別れてよ」

そんな捨て台詞を残して去っていきました。