「事件」

義父との電話が終わり、妊娠している事も知らず、簡単に長子の親権が取れると思っていた事に、非常に違和感を感じました。

何というか、子育てを全くしない人ならではの楽観というか「鬱病育児放棄している嫁より俺の息子の方が凄い」と盲信しているようでした。

本当に残念な一家です。

 

 

まずは、義実家への連絡。そしてサイ夫との離婚協議。まだ安定期にも入っておらず体重は心労で減る一方、未来に明るい展望が見えずこの時期は本当に苦しかったです。サイ夫の言う通り、お腹の子は初めから父親という存在を知らないのです。いくら祖父がいるとはいえ、全く別物ですし、本当にこの子の父親を私の独断で奪って良いものか…サイ夫への愛情ではなく、子のために何ができるのか本当に悩んでいました。

 

ただ、この間も連日昼夜を問わずサイ夫から家族へのLINE攻撃は止みませんでした。かなり情緒不安定で、怒りを爆発させたり謝りながら私を罵倒してきたり、本当に頭がクラクラしていました。

(本当は見なくても良かったのかもしれません。家族もそう言っていました。でも私としては、まだ戸籍上は配偶者でありきちんと話し合いをして、親権や面会の取り決めをして離婚したいという気持ちがあったので、何を言っているのか知りたかったのです)

 

そして、別居から一ヶ月後。

忘れる事のできない事件が起こりました。

 

夕飯時の18時頃、私のPCアドレスにサイ夫からメールが届きました。

 

「今日、〇〇 ☓☓(サイ夫フルネーム)を終わらせます。お姉さんの所へ逝くことにしました。」

これが一通目。

そして19時前

「止めてもくれないんだね。止めてほしかったよ…愛してるよ。しずく」

これが二通目。

 

スマホでPCメールも見れるものの、その時は頻繁にスマホを触っていなかったので、私がこのメールに気付いたのは21時頃でした。

小さな悲鳴を上げて、離れた場所にいた父の所へメールを見せに行っていたそうです。(この時の記憶は曖昧です)

父は、メールを見てすぐに母の所へ行き、サイ夫の様子を見に行く。と言いました。母も一緒に行くことになり、私は何もなかったかのように長子の寝かしつけをし、弟と共に両親の帰りを待つことになりました。

 

ずっとお腹が張っていて苦しいのに、横になることもできない。何かあったらどうしよう…と悪い方に悪い方に思考がいってしまっていました。

22時頃母から電話があり、「とりあえず生きてるから。大丈夫よ。寝なさい」と連絡がきました。とてもではないけど眠れる心境ではなく、リビングで悶々としながら両親の帰りを待っていました。

弟は隣にいてくれて、何をするわけでも話すわけでもないけど、私を支えてくれていました。

 

その日、サイ夫の身に何があったのか。

実はこの数日前、父にLINEが入っていたそうです。

話し合いもできないまま離婚させられる事になり、俺は苦しい。離婚したら、俺は金だけ取られて子どもたちに会うことも再婚することもできない。未来に絶望しました。しずくには、俺の死をもって一生償いながら生きていってほしい。

これを、私の父に送っていたのです。

父は、サイ夫の安否確認のためサイ夫の職場にまで電話連絡をしていました。そこでは、サイ夫は平然と「俺は大丈夫です」と言っていたそうです。

これは、後の審判の際初めて見て本当に驚きました。

 

そして「決行日」

土曜日でした。三連休の初日です。

サイ夫はインターホンを押しても出てこなかったそうです。

合鍵を使い鍵を開けたところ、チェーンがかかっており奥の部屋に明かりが見えたと。

そしてサイ夫は、両親が来ることを予想していなかったのか非常に驚き威嚇してきたそうですが、父の説得によりチェーンを外し三人での話し合いが始まりました。

 

母はこの日の出来事を録音しています。私は怖くて今でも聞くことができませんが、聞いたところによるとこんな事が起こったそうです。

 

チェーンを外し、両親が部屋に入った所サイ夫は土下座をしてきたそうです。

「申し訳ありませんでした!俺が全て悪いんです!」と。

そして部屋に入ると、何種類かの封筒と通帳類がまとめて机の上に置いてあったそうです。

「これは遺書です。俺の気持ちを書いてあります。見ていただいても構いませんよ!」

と何故か怒りながら父に伝えてきたそうですが、父は見る事を拒否しました。

そして、机の上にはアルコール度数の高いチューハイの缶が転がっていたそうです。ワインのボトルもあって、本人からは酒の匂いがして呂律もうまく回っていなかったようです。

この日、両親とサイ夫の話し合いは2時間にも及びました。

サイ夫の主張は、謝罪→私への憎悪→復縁したい→私への憎悪と意味不明だったようです。

私が両親から聞いた中で、一番ゾッとしたのは

「俺が悪いのはわかりました!俺は気持ちを立て直します。だから復縁に力を貸してください。しずくに時間が必要!?どれくらいですか!2週間くらいですか!?」

というものです。

「俺が」大丈夫だから復縁したくて、「俺が」気持ちを立て直すのに2週間くらい必要だから待ってほしい。と。

そこに私の意思は全くありませんでした。

兎にも角にも、自殺を思い留まらせるのに刺激してはいけない、と父も母も言いたいことはたくさんあったと思いますがやんわりと復縁は断り続け、落ち着いて今後の話をしよう。と言い続けたようです。

そして、最後に父に対し

「ありがとうございます…救われました。自殺はしません」と言ったため、両親は家に戻ってきました。

日付が変わっていました。

私は少し話を聞いて、本当に怖くてこんな人と結婚してたんだと情けなくて涙が止まりませんでした。どんどん離婚の意思は固くなっていきました。

 

この自殺騒動、実は狂言だった可能性が高いと今では思っています。

そうでなければ、その後に起こった事が説明できないからです。

サイ夫がサイコパスである事がどんどん明るみになっていきます…